精神外科手術を受け長期経過した分裂病在院患者のCT所見

慢性分裂病在院患者のうち過去に精神外科手術をうけた既往のある20例(手術群)のCT所見を,年齢・性・罹病期間などをほば一致させた慢性分裂病在院患者(非手術群)20例の比較と手術侵襲による変化の検討を行った. 手術群は非手術群に比して, 前頭葉面積の縮小・側脳室前角の拡大・大脳縦裂の開大・大脳全体の萎縮を示した. 手術損傷部位の大きさは,前頭葉の面積および大脳の萎縮と有意な相関を示した. また手術損傷の部位別に非手術群の比較を行い, 基底核レベルより高位の頭葉の損傷が大きい群では側脳室の拡大, 基底核レベルの頭葉の損傷が大きい群では大脳縦裂の開大が目立っていた. さらに左半球の損傷が大きい群では...

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Veröffentlicht in:医療 1991/11/20, Vol.45(11), pp.1021-1026
Hauptverfasser: 足立, 直人, 明石, 俊雄, 豊田, 純三, 村上, 弘司, 小柏, 元英
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:慢性分裂病在院患者のうち過去に精神外科手術をうけた既往のある20例(手術群)のCT所見を,年齢・性・罹病期間などをほば一致させた慢性分裂病在院患者(非手術群)20例の比較と手術侵襲による変化の検討を行った. 手術群は非手術群に比して, 前頭葉面積の縮小・側脳室前角の拡大・大脳縦裂の開大・大脳全体の萎縮を示した. 手術損傷部位の大きさは,前頭葉の面積および大脳の萎縮と有意な相関を示した. また手術損傷の部位別に非手術群の比較を行い, 基底核レベルより高位の頭葉の損傷が大きい群では側脳室の拡大, 基底核レベルの頭葉の損傷が大きい群では大脳縦裂の開大が目立っていた. さらに左半球の損傷が大きい群ではシルビウス裂の開大も認めた.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.45.1021