大腸癌検索中に発見されたPseudo-Bartter症侯群の1例

症例は42才女性. 主訴は右膝関節痛. 近医にて高尿酸血症とCEA高値を指摘され紹介. 低血圧, 低カリウム血症, 高レニン血症を呈し, 注腸透視にて上行結腸に隆起性病変を認め, CTで肝にlow density areaと両側腎髄質の石灰化を認めた. 結腸右半切除, 肝切除術, 右腎生検施行. 大腸の腫瘍は腺癌で, 肝も同様の組織像を呈し, 大腸癌の肝転移と診断. 腎では傍糸球体装置の過形成と約半数の糸球体に硬化を認めた. 本例は長期にわたり嘔吐を繰り返しており, 利尿剤・下剤の連用, また神経性食思不振症も考えられ, これらを誘因とするpseudo-Bartter症候群と考えられた. 本邦...

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Veröffentlicht in:医療 1990/06/20, Vol.44(6), pp.639-642
Hauptverfasser: 中原, 由紀子, 中原, 保治, 松山, 榮一, 田村, 忠雄, 西平, 友彦, 桂, 栄孝
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は42才女性. 主訴は右膝関節痛. 近医にて高尿酸血症とCEA高値を指摘され紹介. 低血圧, 低カリウム血症, 高レニン血症を呈し, 注腸透視にて上行結腸に隆起性病変を認め, CTで肝にlow density areaと両側腎髄質の石灰化を認めた. 結腸右半切除, 肝切除術, 右腎生検施行. 大腸の腫瘍は腺癌で, 肝も同様の組織像を呈し, 大腸癌の肝転移と診断. 腎では傍糸球体装置の過形成と約半数の糸球体に硬化を認めた. 本例は長期にわたり嘔吐を繰り返しており, 利尿剤・下剤の連用, また神経性食思不振症も考えられ, これらを誘因とするpseudo-Bartter症候群と考えられた. 本邦既報告67例と合わせて考察を加え報告した.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.44.639