効果的な卵巣癌化学療法の試み: ヌードマウス移植系を用いた検討

卵巣癌の臨床治療において問題となつている諸点について検討すべく, ヌードマウスに移植継代されているヒト卵巣癌株を用いて制癌剤投与実験を行つた. その結果, (1)各腫瘍毎に同一の制癌剤に対する感受性が異なることがわかり, 腫瘍組織のタイプにより薬剤を選択して治療を行うことが必要であると考えられた. (2)薬剤の投与量を減ずることにより明らかな抗腫瘍効果の低下がみられたことより, 臨床治療において現在用いている薬剤の投与量をさらに増加する試みによつて, より一層の抗腫瘍効果が期待できることが示唆された. (3)副作用の問題を考慮外におくと, 実験系においては作用の発現が認められる薬剤の1剤による...

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Veröffentlicht in:医療 1990/04/20, Vol.44(4), pp.371-378
Hauptverfasser: 澤田, 益臣, 山崎, 正人, 占部, 武, 岡本, 悦治, 内藤, 博之, 熊谷, 正俊, 橋本, 一昌, 栗村, 統
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:卵巣癌の臨床治療において問題となつている諸点について検討すべく, ヌードマウスに移植継代されているヒト卵巣癌株を用いて制癌剤投与実験を行つた. その結果, (1)各腫瘍毎に同一の制癌剤に対する感受性が異なることがわかり, 腫瘍組織のタイプにより薬剤を選択して治療を行うことが必要であると考えられた. (2)薬剤の投与量を減ずることにより明らかな抗腫瘍効果の低下がみられたことより, 臨床治療において現在用いている薬剤の投与量をさらに増加する試みによつて, より一層の抗腫瘍効果が期待できることが示唆された. (3)副作用の問題を考慮外におくと, 実験系においては作用の発現が認められる薬剤の1剤による大量投与が多剤併用に比べてよりよい抗腫瘍効果が得られるものとおもわれた. (4)卵巣癌手術後に5FU製剤を用いる維持化学療法は再発防止においてその意義が明示された.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.44.371