卵巣, 膀胱重複癌の1例
近年, 重複癌の症例報告が増加しているが卵巣と膀胱の同時発生重複癌は極めて珍しい. 今回我々は卵巣漿液性嚢胞腺癌と膀胱移行上皮癌の同時発生重複癌を経験した. しかも, 予後不良例が多い中, 初回手術15ヵ月後の現在も経過良好であることからも臨床経過を報告する. 症例は64才, 昭和62年9月慢性腎盂腎炎精査目的にて当院泌尿器科受診, 膀胱移行上皮癌G3の診断及び下腹部腫瘤を指摘され当科を紹介された. 当科にて卵巣腫瘍を疑い開腹したところ, 卵巣漿液性嚢腺癌G2pT3bN0M0であつた. さつそくIAP regimenによる化学療法を施行したところ, 腹腔内残存腫瘤及び膀胱内残存腫瘤ともに消失し...
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Veröffentlicht in: | 医療 1989/09/20, Vol.43(9), pp.976-978 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 近年, 重複癌の症例報告が増加しているが卵巣と膀胱の同時発生重複癌は極めて珍しい. 今回我々は卵巣漿液性嚢胞腺癌と膀胱移行上皮癌の同時発生重複癌を経験した. しかも, 予後不良例が多い中, 初回手術15ヵ月後の現在も経過良好であることからも臨床経過を報告する. 症例は64才, 昭和62年9月慢性腎盂腎炎精査目的にて当院泌尿器科受診, 膀胱移行上皮癌G3の診断及び下腹部腫瘤を指摘され当科を紹介された. 当科にて卵巣腫瘍を疑い開腹したところ, 卵巣漿液性嚢腺癌G2pT3bN0M0であつた. さつそくIAP regimenによる化学療法を施行したところ, 腹腔内残存腫瘤及び膀胱内残存腫瘤ともに消失し, 初回手術から6ヵ月後に施行したsecond look operationにて残存腫瘍を認めず後腹膜リンパ節試験切除でも所見陰性であつた. 現在外来維持療法中であるが, マーカーを含めて再発兆候は認めていない. |
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ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
DOI: | 10.11261/iryo1946.43.976 |