HBe抗体陽性慢性肝炎の臨床的検討

e抗体陽性肝疾患の実態について検討した. 1)s抗原陰性化したB型急性肝炎19例ではIAHA法によるc抗体価は全例210以下であつた. 2)e抗体陽性慢性肝炎55例中s抗原が陽性でc抗体価が211以上のものは23例(41.8%), 肝硬変38例でも同様の所見を呈するものは11例(28.9%)に認められた. 3)e抗体陽性慢性肝炎23例中DNA-P, HBV-DNA両者陽性例は1例(4.3%)に過ぎなかつたが, HBV-DNAのみ陽性例は7例(30.4%)に見られた. 4)seroconversionを起こし, そのままe抗体持続陽性慢性肝炎で, 3.5年以上観察した3例では4~5回のトランスア...

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Veröffentlicht in:医療 1988/07/20, Vol.42(7), pp.606-611
Hauptverfasser: 林, 直諒, 進藤, 仁, 足立, ヒトミ, 久保, 井宏, 久保, 精志, 加藤, 義郎, 米島, 正博, 春田, 郁子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:e抗体陽性肝疾患の実態について検討した. 1)s抗原陰性化したB型急性肝炎19例ではIAHA法によるc抗体価は全例210以下であつた. 2)e抗体陽性慢性肝炎55例中s抗原が陽性でc抗体価が211以上のものは23例(41.8%), 肝硬変38例でも同様の所見を呈するものは11例(28.9%)に認められた. 3)e抗体陽性慢性肝炎23例中DNA-P, HBV-DNA両者陽性例は1例(4.3%)に過ぎなかつたが, HBV-DNAのみ陽性例は7例(30.4%)に見られた. 4)seroconversionを起こし, そのままe抗体持続陽性慢性肝炎で, 3.5年以上観察した3例では4~5回のトランスアミナーゼ上昇を繰り返したがいずれの症例もc抗体は高く, 一過性にHBV-DNA, DNA-Pの陽性化を見た. 以上から, e抗体の陽性化, HBV-DNAあるいはDNA-Pの陰性化を認めてもそれのみでは治癒判定の根拠とはならない.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.42.606