高令者胆石症の検討

昭和56年1月から昭和62年12月までの7年間に胆石症として手術を行つた840例中70才以上の症例は149例で17.73%を占めていた. このうち80才以上の症例は17例で最高令者は91才の男性であり, 男女比は62:87と女性が多かつた. 結石の存在部位は胆嚢内のみが84例56.37%で, 肝内外胆管にも共存した症例は52例34.89%, 残りの13例8.72%は無石胆嚢炎であつた. 結石の種類別では黒色石やビリルビン系石などの色素石が多かつた. 術中に採取した胆汁中の細菌感染率は59.84%と高率で, 細菌の極類ではE. coli, Klebsiellaなどのグラム陰性桿菌が多かつたが,...

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Veröffentlicht in:医療 1988/07/20, Vol.42(7), pp.596-600
Hauptverfasser: 岡本, 美穂二, 牧野, 耕治, 土屋, 宣之, 大谷, 哲之, 完岡, 市雄, 米谷, 博夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:昭和56年1月から昭和62年12月までの7年間に胆石症として手術を行つた840例中70才以上の症例は149例で17.73%を占めていた. このうち80才以上の症例は17例で最高令者は91才の男性であり, 男女比は62:87と女性が多かつた. 結石の存在部位は胆嚢内のみが84例56.37%で, 肝内外胆管にも共存した症例は52例34.89%, 残りの13例8.72%は無石胆嚢炎であつた. 結石の種類別では黒色石やビリルビン系石などの色素石が多かつた. 術中に採取した胆汁中の細菌感染率は59.84%と高率で, 細菌の極類ではE. coli, Klebsiellaなどのグラム陰性桿菌が多かつたが, 近年Streptococcusなどのグラム陽性菌も検出されるようになつた. また胃癌, 胆道癌, 大腸癌などの他臓器疾患との合併頻度も高く高令者ほど胆道系疾患の合併症のみならず基礎疾患の合併も多く, 手術を行う上でhigh riskであると思われる.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.42.596