離人症状を呈したVogt-小柳-原田病の1例

32才主婦で, 経過中に離人症状を呈したVogt-小柳-原田病の1例を報告した. 視力障害と頭痛の発症後約2ヵ月して精神症状の発現をみた. 髄液検査ではリンパ球優位の細胞増多を示したが, 髄膜刺激徴候や明らかな意識障害は認めなかつた. 脳波検査では当初異常所見が得られたが, 精神症状の消退に伴い改善をみた. これは離人症と脳の機能異常との関係を示唆していると思われる. 文献的にはVogt-小柳-原田病で精神症状に言及しているものは少なく, 更に離人症の記載はみられず, 本例は極めてまれである. 離人症の背景に脳の機能異常を想定することの重要性と, 本病における精神神経症状に今後着目する必要性を...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:医療 1986/11/20, Vol.40(11), pp.1041-1044
Hauptverfasser: 冨永, 格, 海宝, 美和子, 服部, 宗和, 加藤, 元一郎, 大嶺, 繁二, 鹿島, 晴雄, 金井, 塚道節
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:32才主婦で, 経過中に離人症状を呈したVogt-小柳-原田病の1例を報告した. 視力障害と頭痛の発症後約2ヵ月して精神症状の発現をみた. 髄液検査ではリンパ球優位の細胞増多を示したが, 髄膜刺激徴候や明らかな意識障害は認めなかつた. 脳波検査では当初異常所見が得られたが, 精神症状の消退に伴い改善をみた. これは離人症と脳の機能異常との関係を示唆していると思われる. 文献的にはVogt-小柳-原田病で精神症状に言及しているものは少なく, 更に離人症の記載はみられず, 本例は極めてまれである. 離人症の背景に脳の機能異常を想定することの重要性と, 本病における精神神経症状に今後着目する必要性を指摘した.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.40.1041