国立佐賀病院における子宮外妊娠症例の検討: 早期診断の意義と可能性

過去3年間に経験した子宮外妊娠39症例を検討し, その既往歴, 症状, 各種補助診断法の成績, 開腹所見を調査し, 早期診断の意義について考察した. 1. 正常分娩に対する外妊の発生率は2.44%であつた. 2. 既往歴について, 正常妊婦100人と比較したが, 人工妊娠中絶, および何らかの骨盤内感染の既往が患者群に高率にみられた. 3. 卵管妊娠において, 卵管破裂例, 流産例間に, その症状の出現状況には差を認めなかつたが, 腹腔内出血量について差を認めた. 4. 超音波B-scopeやDouglas窩穿刺は, 外妊の診断に有効であつたが, 腹腔内出血100g以下の症例では, 確診には至...

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Veröffentlicht in:医療 1985/11/20, Vol.39(11), pp.968-975
Hauptverfasser: 小田, 高明, 牛嶋, 公生, 田崎, 民和, 長末, 直樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:過去3年間に経験した子宮外妊娠39症例を検討し, その既往歴, 症状, 各種補助診断法の成績, 開腹所見を調査し, 早期診断の意義について考察した. 1. 正常分娩に対する外妊の発生率は2.44%であつた. 2. 既往歴について, 正常妊婦100人と比較したが, 人工妊娠中絶, および何らかの骨盤内感染の既往が患者群に高率にみられた. 3. 卵管妊娠において, 卵管破裂例, 流産例間に, その症状の出現状況には差を認めなかつたが, 腹腔内出血量について差を認めた. 4. 超音波B-scopeやDouglas窩穿刺は, 外妊の診断に有効であつたが, 腹腔内出血100g以下の症例では, 確診には至らなかつた. 5. 早期診断例と, 診断に日数を要した症例では, 腹腔内出血量, 卵管破裂例数に大きな開きがあり, 早期診断の重要性が確認された.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.39.968