眼瞼下垂, 外眼筋麻痺, 四肢筋萎縮を呈したAlport症候群の1症例
37才の女性で, Alport症候群の家族歴がある. 難聴で発症し, 眼瞼下垂, 脱力, 歩行障害, 尿失禁が加わり, これらの症状は漸次増悪している. るいそうが著明で, 近位筋優位の四肢の筋萎縮がある. 著明な眼瞼下垂があり, 両眼球運動は全方向に強く制限されるが, 内眼筋障害はない. 全聾であり, 四肢の深部反射は低下~消失し, 上下肢とも近位部で中等度の脱力を認めるが, 知覚は正常である. 歩行時truncal ataxiaを認め, 血清CPKは高値で, また, 耐糖能異常がある. CTスキヤンで大脳白質全体に著明なlow densityを認めるが, 脳波や心電図は正常である. 生検筋...
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Veröffentlicht in: | 医療 1985/04/20, Vol.39(4), pp.366-372 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 37才の女性で, Alport症候群の家族歴がある. 難聴で発症し, 眼瞼下垂, 脱力, 歩行障害, 尿失禁が加わり, これらの症状は漸次増悪している. るいそうが著明で, 近位筋優位の四肢の筋萎縮がある. 著明な眼瞼下垂があり, 両眼球運動は全方向に強く制限されるが, 内眼筋障害はない. 全聾であり, 四肢の深部反射は低下~消失し, 上下肢とも近位部で中等度の脱力を認めるが, 知覚は正常である. 歩行時truncal ataxiaを認め, 血清CPKは高値で, また, 耐糖能異常がある. CTスキヤンで大脳白質全体に著明なlow densityを認めるが, 脳波や心電図は正常である. 生検筋は神経原性変化と筋原性変化が混在する所見であるが, ragged-red fiberは認めず, ミトコンドリァ異常は無い. Alport症候群で眼瞼下垂や外眼筋麻痺を呈した既報告例は無く, 一方, 本例は: Kearns-Shy症候群に極めて類似した諸点がある. 疾患としての位置付けが困難な1例と考え報告した. |
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ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
DOI: | 10.11261/iryo1946.39.366 |