重度脳損傷時のBarbiturate長期大量療法

Barbiturateの脳保護作用については古くから知られており, 実験的には種々の脳虚血モデルで実証されている. 臨床的には重症頭部外傷, 心停止後の脳蘇生, 脳血管障害と各方面からの臨床応用が試みられている. 我々は, 重症頭部外傷5例, 脳動脈瘤破裂6例, 脳動静脈奇形2例, 小脳出血2例, 橋出血1例に対し, thiamylal 15mg/kg約500~1000mgで導入し, 5mg/kg/hrの割合で3日間以上連続投与した. その結果, 頭部外傷は全例救命でき4例が社会復帰している. 脳動脈瘤の3例, 脳動静脈奇形, 小脳出血, 橋出血の各1例が救命できた. Barbiturate療...

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Veröffentlicht in:医療 1984/11/20, Vol.38(11), pp.1091-1096
Hauptverfasser: 今川, 健司, 野村, 隆吉, 浅井, 昭, 林, 誠之, 戸田, 稲三, 伊藤, 栄一, 池田, 隆
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:Barbiturateの脳保護作用については古くから知られており, 実験的には種々の脳虚血モデルで実証されている. 臨床的には重症頭部外傷, 心停止後の脳蘇生, 脳血管障害と各方面からの臨床応用が試みられている. 我々は, 重症頭部外傷5例, 脳動脈瘤破裂6例, 脳動静脈奇形2例, 小脳出血2例, 橋出血1例に対し, thiamylal 15mg/kg約500~1000mgで導入し, 5mg/kg/hrの割合で3日間以上連続投与した. その結果, 頭部外傷は全例救命でき4例が社会復帰している. 脳動脈瘤の3例, 脳動静脈奇形, 小脳出血, 橋出血の各1例が救命できた. Barbiturate療法については, 投与量, 投与期間, その効果に対する適当なモニター法が無いこと, 管理上の問題があることなどより, 臨床応用は容易でない. しかし, 報告したごとく, 最重症例でも有効な症例があり, 今後, 他の治療法で効果のない重症例に積極的に試みられるべき治療法であると考える
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.38.1091