再発浸潤性胸腺腫を合併した重症筋無力症の1例

症例: F. K. 35才, 女性. 昭和53年2月, 頸部の筋脱力を初発症状とし, 次第に球症状を呈し来院した(Osserman IIb型). 抗コリンエステラーゼ剤(抗コ剤)でよくコントロー-ルされたが, 胸腺腫を合併するため, 同年10月浸潤性胸腺腫を含め胸腺切除術を施行した. しかし, 術後も抗コ剤の投与は必要で, 同年12月からは, 何度もクリーゼを繰り返し, 人工呼吸を必要とした. 経過中, 副腎皮質ホルモン, 免疫抑制剤, 血漿交換などの治療を行い, 抗アセチルコリンリセプター抗体価は低下したものの, 症状は好転しなかつた. 57年10月, 胸部CTにて胸腺腫の再発を認め, 前縦...

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Veröffentlicht in:医療 1984/09/20, Vol.38(9), pp.920-923
Hauptverfasser: 松本, 伸, 小西, 洋, 岡, 瞭, 木畑, 正義, 井原, 雄悦, 難波, 玲子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例: F. K. 35才, 女性. 昭和53年2月, 頸部の筋脱力を初発症状とし, 次第に球症状を呈し来院した(Osserman IIb型). 抗コリンエステラーゼ剤(抗コ剤)でよくコントロー-ルされたが, 胸腺腫を合併するため, 同年10月浸潤性胸腺腫を含め胸腺切除術を施行した. しかし, 術後も抗コ剤の投与は必要で, 同年12月からは, 何度もクリーゼを繰り返し, 人工呼吸を必要とした. 経過中, 副腎皮質ホルモン, 免疫抑制剤, 血漿交換などの治療を行い, 抗アセチルコリンリセプター抗体価は低下したものの, 症状は好転しなかつた. 57年10月, 胸部CTにて胸腺腫の再発を認め, 前縦隔脂肪組織と再発浸潤性胸腺腫を切除した. 術後, 一時は症状の好転がみられたが, 短期間ののちに再び人工呼吸が必要となつた. 以上, 種々の治療が効果なく, MGが必ずしも, Thymocentric diseaseではないことをうかがわせる1症例を報告した.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.38.920