国立柏病院における川崎病の心合併症の頻度と経過

我々の病院に入院した川崎病の患者20例について心合併症の有無を検索したところ, 断層心エコー法により冠動脈瘤は約15%に認められ, 冠動脈瘤に至らないものを含めると, 冠動脈病変の合併頻度は30%以上にのぼつた. しかしM-mode法では, いずれも異常は認められなかつた. 冠動脈病変の持続期間は, 冠動脈病変が重篤なほど長期に及ぶと思われたが, 軽症なものでも症例により, その持続期間が長期に及ぶものも認められた. また, いくつかの臨床所見, すなわち最大赤沈値, 最大白血球数, 最大血小板数, そして有熱期間と冠動脈病変の重症度との相関を検討したが, いずれもはつきりした相関は認められな...

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Veröffentlicht in:医療 1984/03/20, Vol.38(3), pp.295-298
Hauptverfasser: 近藤, 和喜夫, 三村, 明朗, 平林, 和夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:我々の病院に入院した川崎病の患者20例について心合併症の有無を検索したところ, 断層心エコー法により冠動脈瘤は約15%に認められ, 冠動脈瘤に至らないものを含めると, 冠動脈病変の合併頻度は30%以上にのぼつた. しかしM-mode法では, いずれも異常は認められなかつた. 冠動脈病変の持続期間は, 冠動脈病変が重篤なほど長期に及ぶと思われたが, 軽症なものでも症例により, その持続期間が長期に及ぶものも認められた. また, いくつかの臨床所見, すなわち最大赤沈値, 最大白血球数, 最大血小板数, そして有熱期間と冠動脈病変の重症度との相関を検討したが, いずれもはつきりした相関は認められなかつた. そして従来からいわれているように, 川崎病スコアと冠動脈病変の重症度とは必ずしも一致しなかった.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.38.295