小児の腹痛に対する腹壁筋電図の診断的応用に関する研究
小児では訴えの不正確さから腹痛の診断は容易でなく, 腹膜炎その他の診断が遅れることが多い. 腹痛に対する客観的記録を得る方法は現在ではない. 我々は腹壁筋緊張を有する腹痛を訴える患者, 虫垂炎23例, 胃破裂2例, 原発性腹膜炎2例, 回腸穿孔1例, 腸閉塞4例, 腸炎7例, 胆嚢炎2例, 髄膜炎1例につき, 表面電極により腹壁筋電図を記録した. 腹膜炎を有する患者では腹部圧迫, 圧迫急速解除により筋電図棘波が多数記録されたが, 2例の新生児胃破裂では筋電図が記録されなかつた. 筋電図は腹部圧迫急速解除時の腹痛及び, 打診時の腹痛も記録可能であるが, 重症で, 腹腔内遊離ガスで腹部膨満著明な腹...
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Veröffentlicht in: | 医療 1984/01/20, Vol.38(1), pp.27-31 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 小児では訴えの不正確さから腹痛の診断は容易でなく, 腹膜炎その他の診断が遅れることが多い. 腹痛に対する客観的記録を得る方法は現在ではない. 我々は腹壁筋緊張を有する腹痛を訴える患者, 虫垂炎23例, 胃破裂2例, 原発性腹膜炎2例, 回腸穿孔1例, 腸閉塞4例, 腸炎7例, 胆嚢炎2例, 髄膜炎1例につき, 表面電極により腹壁筋電図を記録した. 腹膜炎を有する患者では腹部圧迫, 圧迫急速解除により筋電図棘波が多数記録されたが, 2例の新生児胃破裂では筋電図が記録されなかつた. 筋電図は腹部圧迫急速解除時の腹痛及び, 打診時の腹痛も記録可能であるが, 重症で, 腹腔内遊離ガスで腹部膨満著明な腹膜炎及び麻痺性イレウスを伴う腹膜炎では, 筋電図的痛みを記録することができなかつた. このことは病状の進んだ小児では腹痛を示さないものがあることを筋電図的に証明したものである. また筋電図棘波は深麻酔又は深い鎮静で消失した. |
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ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
DOI: | 10.11261/iryo1946.38.27 |