アルコール性肝障害

近年, 我が国においても飲酒量の増大とともに, 飲酒パターン, 食事背景が欧米化し, アルコール性肝障害の急激な増加と重症化がみられるようになつた. 国立療養所道北病院において昭和55年4月から, 昭和56年6月までの間に入院した肝疾患患者は125例であり, うち82例に腹腔鏡および肝生検を実施した. アルコール性と診断されたものは29例(23.2%)と高率であり, うち肝硬変18例中アルコール性肝硬変は13例と著しく高い頻度であつた. 入院までのアルコール換算総摂取量は平均2,153 lと一般に比べて極めて高く, 疾患別では, 脂肪肝, 肝炎, 肝硬変の順に病態の重症化にしたがい, アルコー...

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Veröffentlicht in:医療 1982/07/20, Vol.36(7), pp.609-616
Hauptverfasser: 富永, 吉春, 箭原, 則子, 桑島, 核, 上田, 直紀
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年, 我が国においても飲酒量の増大とともに, 飲酒パターン, 食事背景が欧米化し, アルコール性肝障害の急激な増加と重症化がみられるようになつた. 国立療養所道北病院において昭和55年4月から, 昭和56年6月までの間に入院した肝疾患患者は125例であり, うち82例に腹腔鏡および肝生検を実施した. アルコール性と診断されたものは29例(23.2%)と高率であり, うち肝硬変18例中アルコール性肝硬変は13例と著しく高い頻度であつた. 入院までのアルコール換算総摂取量は平均2,153 lと一般に比べて極めて高く, 疾患別では, 脂肪肝, 肝炎, 肝硬変の順に病態の重症化にしたがい, アルコール総摂取量の増加を認めた. アルコール性肝障害は働き盛りの男性に多く, 高令になると肝硬変に至るものと思われる. アルコール総摂取量とγ-GTP MCV値に相関はみられなかつた.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.36.609