クリプトコツカス症の2例
Cryptococcus neoformansは肺や中枢神経にとくに親和性が高く, 診断がむつかしく, 予後不良な疾患である. 骨クリプトコツカス症は極めてまれである. 今回, 我々は, もつとも一般的な型である髄膜炎を呈した36才男性と, まれな骨に限局性の29才男性の2症例を経験した. 前者は激しい頭痛, 嘔吐が主訴で来院し, 髄液から真菌を墨汁法で証明し, アンホテリシンBの静注と髄腔内注入により約8ヵ月後に髄液から真菌の消失をみた. 後者の症例は, 大腿骨頸部に, 骨破壊像をレ線的に認められ結核性病変の疑いで来院し, 骨病巣郭清と骨移植術を施行し, 摘出壊死組織からPAS染色にて真菌を...
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Veröffentlicht in: | 医療 1981/11/20, Vol.35(11), pp.1041-1044 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | Cryptococcus neoformansは肺や中枢神経にとくに親和性が高く, 診断がむつかしく, 予後不良な疾患である. 骨クリプトコツカス症は極めてまれである. 今回, 我々は, もつとも一般的な型である髄膜炎を呈した36才男性と, まれな骨に限局性の29才男性の2症例を経験した. 前者は激しい頭痛, 嘔吐が主訴で来院し, 髄液から真菌を墨汁法で証明し, アンホテリシンBの静注と髄腔内注入により約8ヵ月後に髄液から真菌の消失をみた. 後者の症例は, 大腿骨頸部に, 骨破壊像をレ線的に認められ結核性病変の疑いで来院し, 骨病巣郭清と骨移植術を施行し, 摘出壊死組織からPAS染色にて真菌を証明した. アンコチルの内服で良好な経過をたどつている. 髄膜炎例は, 1年後に急性肝不全で死亡し, 剖検によりなお髄膜に真菌を認め, 薬剤の有効投与量の決定のむつかしさを痛感している. |
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ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
DOI: | 10.11261/iryo1946.35.1041 |