くも膜下出血のCT所見

我々は, くも膜下出血45例のCT(Computed Tomography)所見につき, 破裂脳動脈瘤例を中心に検討を加えた. くも膜下腔内凝血がみられるのは発症後3週間以内に限られ, 発症後3日以内の症例では94%に何らかの高吸収域を認めた. 前交通動脈瘤では, 出血は鞍上槽を中心に, 対称的に拡がり, 迂回槽, 前大脳縦裂へ進展する. 内頸動脈瘤では, 出血は破裂動脈瘤側の鞍上槽シルヴィウス裂を中心に, 他の脳底槽へ進展する. 中大脳動脈瘤では, 出血は破裂動脈瘤側のシルヴイウス裂を中心に拡がり, 脳内血腫を形成しやすい. Huntの分類のgrade III以上では, CT上高吸収域を認め...

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Veröffentlicht in:医療 1980/11/20, Vol.34(11), pp.1005-1009
Hauptverfasser: 山上, 達人, 川崎, 道朗, 今川, 健司, 戸田, 稲三, 林, 誠之, 浅井, 昭, 野村, 隆吉
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:我々は, くも膜下出血45例のCT(Computed Tomography)所見につき, 破裂脳動脈瘤例を中心に検討を加えた. くも膜下腔内凝血がみられるのは発症後3週間以内に限られ, 発症後3日以内の症例では94%に何らかの高吸収域を認めた. 前交通動脈瘤では, 出血は鞍上槽を中心に, 対称的に拡がり, 迂回槽, 前大脳縦裂へ進展する. 内頸動脈瘤では, 出血は破裂動脈瘤側の鞍上槽シルヴィウス裂を中心に, 他の脳底槽へ進展する. 中大脳動脈瘤では, 出血は破裂動脈瘤側のシルヴイウス裂を中心に拡がり, 脳内血腫を形成しやすい. Huntの分類のgrade III以上では, CT上高吸収域を認めた. 脳室穿破を伴う症例の予後は重篤であつた. 造影CT法により, 動脈瘤の描出が容易になつた. くも膜下出血では, 発症後可及的速やかに, CTを施行し, ウィリス動脈輪を中心に, 狭いスライス幅で撮影し, 造影CT法を併用すれば, より診断率は高まるであろう.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.34.1005