膀胱Spindle Cell Carcinomaの1例

膀胱移行上皮癌が肉腫様構造を示すことは比較的希である. 我々は最近, 膀胱のspindle cell carcinomaを経験した. 症例は72才, 女性で排尿痛, 血尿が見られ尿細胞診にてClass V, 膀胱鏡にて右後壁にくるみ大の腫瘍を認めた. 膀胱全摘が行われ, 表面は壊死性で割面は灰白色であつた. 組織像は, 互いに移行する未分化移行上癌の部分と肉腫様構造の部分よりなつている. 肉腫様構造の部分は腫瘍の主体を占め紡錐形の細胞が東状に配列し, 細胞個々を綜維が取り囲んでいる. 尿中剥離細胞像は小型の腫瘍細胞が互いに弱く結合して出現している. 核は類円形でクロマチンは細顆粒状, 核縁は軽...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:医療 1980/10/20, Vol.34(10), pp.933-936
Hauptverfasser: 香川, 和三, 丸本, 浩二, 香川, 正博, 横関, 秀明, 中島, 幹夫, 森啓, 一郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:膀胱移行上皮癌が肉腫様構造を示すことは比較的希である. 我々は最近, 膀胱のspindle cell carcinomaを経験した. 症例は72才, 女性で排尿痛, 血尿が見られ尿細胞診にてClass V, 膀胱鏡にて右後壁にくるみ大の腫瘍を認めた. 膀胱全摘が行われ, 表面は壊死性で割面は灰白色であつた. 組織像は, 互いに移行する未分化移行上癌の部分と肉腫様構造の部分よりなつている. 肉腫様構造の部分は腫瘍の主体を占め紡錐形の細胞が東状に配列し, 細胞個々を綜維が取り囲んでいる. 尿中剥離細胞像は小型の腫瘍細胞が互いに弱く結合して出現している. 核は類円形でクロマチンは細顆粒状, 核縁は軽度肥厚が見られる. 核小体は著明である.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.34.933