先天性股関節脱臼観血整復時と正常児病理解剖時の股関節所見について

先天股脱の非観血的整復の際の整復障害因子については多数の意見が述べられてきた. 我々は数年来観血整復時に股関節の後上方関節包と腸骨壁との癒着にその原因を見出す症例に多数遭遇したため, 関節包を全周にわたつて切離して整復することで術後によい求心位を得ることができた. 昭和52年2月より53年8月までに国立岡山病院で5例5関節の観血整復術を施行した際の手術時所見について報告する. また当院での小児の病理解剖時に股関節を観血整復術と同様の侵入法により展開し, 関節包と臼蓋唇, 骨頭, 円靱帯の関係について調査した. 関節包は正常股関節では臼蓋唇とは全周にわたつて分離しており, 骨頭に密着して陰圧を形...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:医療 1979/10/20, Vol.33(10), pp.923-927
Hauptverfasser: 国定, 寛之, 児玉, 寛, 大渕, 真爾, 篠崎, 進一, 高橋, 常雄, 村上, 元正, 田辺, 剛造
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:先天股脱の非観血的整復の際の整復障害因子については多数の意見が述べられてきた. 我々は数年来観血整復時に股関節の後上方関節包と腸骨壁との癒着にその原因を見出す症例に多数遭遇したため, 関節包を全周にわたつて切離して整復することで術後によい求心位を得ることができた. 昭和52年2月より53年8月までに国立岡山病院で5例5関節の観血整復術を施行した際の手術時所見について報告する. また当院での小児の病理解剖時に股関節を観血整復術と同様の侵入法により展開し, 関節包と臼蓋唇, 骨頭, 円靱帯の関係について調査した. 関節包は正常股関節では臼蓋唇とは全周にわたつて分離しており, 骨頭に密着して陰圧を形成し骨頭を臼蓋内によく保持していた. 関節包の腸骨壁との癒着はみられない.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.33.923