片頭痛発作と頭蓋内血管形態異常

片頭痛患者における脳血管撮影所見で, 頭蓋内血管形態異常の明らかな2症例を呈示した. 1例は典型的片頭痛症で, 次の所見が得られた. すなわち, 右椎骨動脈の同側後下小脳動脈への直接移行, 左椎骨動脈形成不全を推定させる所見, である. 他の1例は右眼筋麻痺性片頭痛症で, 右後大脳動脈起始部の著明な拡張が認められた. 従来, 片頭痛発作のpathogenesisは血管作動性物質に対する頭蓋内外血管のinstabilityに求められている. ここに報告した2症例は, 片頭痛の発生機序に関する我々の推論, すなわち片頭痛患者の頭部血管のinstabilityは既存の微妙な脳血流動態異常を基盤として...

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Veröffentlicht in:医療 1979/07/20, Vol.33(7), pp.661-666
Hauptverfasser: 竹山, 英二, 杉森, 忠貫, 別府, 俊男, 谷川, 達也, 宮崎, 崇, 喜多村, 孝一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:片頭痛患者における脳血管撮影所見で, 頭蓋内血管形態異常の明らかな2症例を呈示した. 1例は典型的片頭痛症で, 次の所見が得られた. すなわち, 右椎骨動脈の同側後下小脳動脈への直接移行, 左椎骨動脈形成不全を推定させる所見, である. 他の1例は右眼筋麻痺性片頭痛症で, 右後大脳動脈起始部の著明な拡張が認められた. 従来, 片頭痛発作のpathogenesisは血管作動性物質に対する頭蓋内外血管のinstabilityに求められている. ここに報告した2症例は, 片頭痛の発生機序に関する我々の推論, すなわち片頭痛患者の頭部血管のinstabilityは既存の微妙な脳血流動態異常を基盤として生ずるであろう, という考えを支持する証拠の一つとなるであろう.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.33.661