リウマチ性atlanto-axial subluxationにより惹起された椎骨脳底動脈血行不全の1例

リウマチ性atlanto-axial subluxationの合併症として頭位変換による椎骨動脈血行不全症状は少ない. われわれは最近68才女性の本症による椎骨脳底動脈血行不全症状を呈した1例を経験した. 本例は17年前より慢性関節リウマチに罹患, 最近頭位変換により眩暈, 失神発作, 一時的眼前暗黒発作を繰り返した. X線学的に高度のatlanto-axial subluxationがあり, odontoid突起は上方嵌入が著しく, 椎骨動脈撮影により, 右椎骨動脈は狭小でC2レベルで閉塞し, 左椎骨動脈は環椎横突起孔出口付近でSegmental Stenosisを示していた. この左椎骨動...

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Veröffentlicht in:医療 1979/03/20, Vol.33(3), pp.293-297
Hauptverfasser: 別府, 俊男, 竹山, 英二, 杉森, 忠貫, 谷藤, 誠司, 工藤, 洋, 岩野, 邦男
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:リウマチ性atlanto-axial subluxationの合併症として頭位変換による椎骨動脈血行不全症状は少ない. われわれは最近68才女性の本症による椎骨脳底動脈血行不全症状を呈した1例を経験した. 本例は17年前より慢性関節リウマチに罹患, 最近頭位変換により眩暈, 失神発作, 一時的眼前暗黒発作を繰り返した. X線学的に高度のatlanto-axial subluxationがあり, odontoid突起は上方嵌入が著しく, 椎骨動脈撮影により, 右椎骨動脈は狭小でC2レベルで閉塞し, 左椎骨動脈は環椎横突起孔出口付近でSegmental Stenosisを示していた. この左椎骨動脈は右方回旋頭位によるodontoid突起の偏心性移動で, 大孔辺縁に絞扼され一過性椎骨脳底動脈血行不全が生ずるものと判断された. 左椎骨動脈のSegmental Stenosis末梢への側副血行路は次第に発達し, extracranial-intracranial bypassを施行することなく, 頭頸部の牽引固定により上記症状は消失した.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.33.293