慢性肝炎におけるEBウイルス, サイトメガロウイルス, 単純性ヘルペスウイルスの血中抗体価について

要旨 慢性肝疾患81例について, 血中ウイルス抗体価の検索を行い, 肝疾患の慢性化に, ウイルスの潜伏感染がいかなる意義があるかを検討した. 1)肝硬変症において, 血中EBウイルス抗体価は, 対照群に比し有意に高値を示した. 2) HBs抗原の陽性例・陰性例において, EBウイルス抗体価に有意の差はみられなかつた. 3)血中サイトメガロウイルス抗体価, 単純性ヘルペスウイルス抗体価は慢性肝疾患において有意な所見はみられなかつた. 4)血中EBウイルス抗体価の変動と, 血清トランスアミナーゼ値の変動とには関係がみられなかつた. 5)しかしながら, 血中EBウイルス抗体価の高値を示す慢性肝疾患例...

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Veröffentlicht in:医療 1978-11, Vol.32 (11), p.1331-1336
Hauptverfasser: 杉浦克明, 小林元子, 中村正夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:要旨 慢性肝疾患81例について, 血中ウイルス抗体価の検索を行い, 肝疾患の慢性化に, ウイルスの潜伏感染がいかなる意義があるかを検討した. 1)肝硬変症において, 血中EBウイルス抗体価は, 対照群に比し有意に高値を示した. 2) HBs抗原の陽性例・陰性例において, EBウイルス抗体価に有意の差はみられなかつた. 3)血中サイトメガロウイルス抗体価, 単純性ヘルペスウイルス抗体価は慢性肝疾患において有意な所見はみられなかつた. 4)血中EBウイルス抗体価の変動と, 血清トランスアミナーゼ値の変動とには関係がみられなかつた. 5)しかしながら, 血中EBウイルス抗体価の高値を示す慢性肝疾患例が多かつたとはいえ, EBウイルス感染が肝疾患を慢性化するとはいえなかつた.
ISSN:0021-1699