神戸市における救急医療と神戸市立中央市民病院の救急の実態について

地域医療と救急に関しては, 医療を受ける患者の立場, 医療を担当する医師の立場, あるいは医療行政の立場など, それぞれの考え方や意見があるが, 私は救急医療を担当する立場, 特に自治体病院としての立場から, この問題について述べてみたいと思う. 1. 神戸における救急体制(表1) まず, 神戸市の救急体制はどうなつているかについて述べる. 図1は, 神戸市消防局救急隊の50年度, 51年度の事故別救急出動を円グラフで示すが, 救急出動の半数は急病であり, 交通外傷, 一般負傷はそれぞれ12%, 15%にすぎない. これに対し患者の受け入れ側の病院の診療体制は図2に示すごとく, 救急告示病院の...

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Veröffentlicht in:医療 1978/09/20, Vol.32(9), pp.1089-1095
1. Verfasser: 高山, 英世
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:地域医療と救急に関しては, 医療を受ける患者の立場, 医療を担当する医師の立場, あるいは医療行政の立場など, それぞれの考え方や意見があるが, 私は救急医療を担当する立場, 特に自治体病院としての立場から, この問題について述べてみたいと思う. 1. 神戸における救急体制(表1) まず, 神戸市の救急体制はどうなつているかについて述べる. 図1は, 神戸市消防局救急隊の50年度, 51年度の事故別救急出動を円グラフで示すが, 救急出動の半数は急病であり, 交通外傷, 一般負傷はそれぞれ12%, 15%にすぎない. これに対し患者の受け入れ側の病院の診療体制は図2に示すごとく, 救急告示病院の時間外診療科目は70%が外科であり, 救急患者の70%が内科小児科など内科系疾患で全く対応していない. すなわち疾病と搬送, 診療体制の間に大きなギヤツプが生じている. 従つて, この社会的要求に対応した救急体制の整備, すなわち内科, 小児科の救急体制をととのえることが, 神戸市の緊急課題となつていたわけである.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.32.1089