クモ膜下出血患者の髄液電解質について

クモ膜下出血後に生ずる脳血管攣縮は, 患者の状態を悪化させる一因子である. 最近, 脳血管攣縮に関する研究が多数報告されているなかに, Ca++濃度が血管平滑筋収縮に関与するという報告があり, 著者らは神経疾患を有さない20症例(対照群)とクモ膜下出血9症例の髄液Ca++濃度を中心に電解質を測定して次の結論を得た. (1) 髄液中のCa+濃度は年令の増加とともに減少する. (2) 髄液中のMg++濃度は年令と関係なく一定である. (3) 脳血管攣縮のある症例で髄液中のCa++, Mg+濃度は共に高くなるが, Ca++/Mg++比も高くなる(Ca++は平均15%上昇). (4) 脳血管攣縮のある...

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Veröffentlicht in:医療 1978/07/20, Vol.32(7), pp.850-854
Hauptverfasser: 土屋, 寿司郎, 埴生, 知則, 出野, 秀, 渋谷, 幸子, 伊藤, 治英
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:クモ膜下出血後に生ずる脳血管攣縮は, 患者の状態を悪化させる一因子である. 最近, 脳血管攣縮に関する研究が多数報告されているなかに, Ca++濃度が血管平滑筋収縮に関与するという報告があり, 著者らは神経疾患を有さない20症例(対照群)とクモ膜下出血9症例の髄液Ca++濃度を中心に電解質を測定して次の結論を得た. (1) 髄液中のCa+濃度は年令の増加とともに減少する. (2) 髄液中のMg++濃度は年令と関係なく一定である. (3) 脳血管攣縮のある症例で髄液中のCa++, Mg+濃度は共に高くなるが, Ca++/Mg++比も高くなる(Ca++は平均15%上昇). (4) 脳血管攣縮のある症例で, 脳血管攣縮がよく起こるとされる期間で髄液中のCa++濃度は高値を示す.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.32.850