開心術後第17日目に意識の回復をみた症例

われわれは28才の女性で, 第4度の肺動脈狭窄に卵円孔開存を合併した症例に開心下根治術を行つたが, 術後16日間意識が回復しなかつた. このため, 栄養障害に加えて, 前縦隔炎, 正中胸骨切開創の上部10cmにわたる〓開を来し, 非常に術後管理に苦労したが, チトクロンーS, ルシドリール, アデポスL3号などの投与を続けるうち, 術後17日目に意識を回復した. 術後みられた左片麻痺も著明に改善され, 言語障害や記憶障害なども残さず, ただ, 左手指の運動障害を残すのみで, 術後217日目に, 元気に歩行退院した. 意識障害は, 左の片麻痺及び左の顔面神経麻痺などがみられたところから, 人工心...

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Veröffentlicht in:医療 1978/06/20, Vol.32(6), pp.764-769
Hauptverfasser: 船木, 治雄, 大田, 早苗, 神谷, 直紀, 広瀬, 脩二, 渋沢, 喜守雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:われわれは28才の女性で, 第4度の肺動脈狭窄に卵円孔開存を合併した症例に開心下根治術を行つたが, 術後16日間意識が回復しなかつた. このため, 栄養障害に加えて, 前縦隔炎, 正中胸骨切開創の上部10cmにわたる〓開を来し, 非常に術後管理に苦労したが, チトクロンーS, ルシドリール, アデポスL3号などの投与を続けるうち, 術後17日目に意識を回復した. 術後みられた左片麻痺も著明に改善され, 言語障害や記憶障害なども残さず, ただ, 左手指の運動障害を残すのみで, 術後217日目に, 元気に歩行退院した. 意識障害は, 左の片麻痺及び左の顔面神経麻痺などがみられたところから, 人工心肺から侵入した空気が右内包及び脳幹部の動脈にひつかかつて空気塞栓を来したことが原因と考えられるが, 断定はできない.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.32.764