多発性皮膚転移を呈した肺胞上皮癌の1例
「要旨」肺胞上皮癌は, 剖検上, 半数に転移が認められ, その転移は, ほとんど内部器官にみられ皮膚への転移が希とされているが, 今回78才の男性で, 腹部膨満を訴え, 入院経過中, 多発性皮膚転移を来し, 皮膚生検及び剖検にて, 肺胞上皮癌を確認するとともに, 若干の文献的考察を行った. 臨床上, 腫瘍の皮膚転移の頻度は, 希なものであるが, その転移が多発性にくるのは更に希である, 中でも, 肺胞上皮癌の転移は, ほとんど内部器官に認められ皮膚への転移は極めて希なものと報じられている. 1)2) 今回, 我々は, 腹部膨満および心悸亢進を訴えて来診, 入院の上経過観察中に多発性皮膚転移を来...
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Veröffentlicht in: | 医療 1978/06/20, Vol.32(6), pp.759-763 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要旨」肺胞上皮癌は, 剖検上, 半数に転移が認められ, その転移は, ほとんど内部器官にみられ皮膚への転移が希とされているが, 今回78才の男性で, 腹部膨満を訴え, 入院経過中, 多発性皮膚転移を来し, 皮膚生検及び剖検にて, 肺胞上皮癌を確認するとともに, 若干の文献的考察を行った. 臨床上, 腫瘍の皮膚転移の頻度は, 希なものであるが, その転移が多発性にくるのは更に希である, 中でも, 肺胞上皮癌の転移は, ほとんど内部器官に認められ皮膚への転移は極めて希なものと報じられている. 1)2) 今回, 我々は, 腹部膨満および心悸亢進を訴えて来診, 入院の上経過観察中に多発性皮膚転移を来した肺胞上皮癌の1例を経験したので, 若干の文献的考察を加えて報告する. 症 例患者=Y. T. 78才, 男, 農業 主訴:腹部膨満および心悸亢進 既往歴:6年前より右膝関節炎にて, 時々治療を受けた. 家族歴:特記すべきことはない. 現病歴:1976年10月初めより, 咳漱及び白色粘稠疾を来し, 且つ咳漱時胸痛を伴ったため, 10日6日当院を受診. |
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ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
DOI: | 10.11261/iryo1946.32.759 |