手術患者と胃液量

胃内容の誤嚥によつてひき起こされる, Mendelson's syndrome (Acid aspiration syndrome)は, 胃酸によつて, 特にそれがpH 2.5以下の時に, 重篤な呼吸器症状を呈することで広く知られており, 麻酔管理に際して, 嘔吐, 胃内容逆流による誤嚥の防止は重要な問題である. 我々は, 麻酔科管理の手術のほぼ全例に, 胃管を挿入し, 胃内容を吸引し, 胃内圧を減ずることで麻酔中の嘔吐や, 胃内容の逆流を防止し, 安全な麻酔管理を心がけている. 今回, 術前, 術中の胃内容とpHの測定を行い, いくばくかの知見を得たので報告する. 結果は, 十分な...

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Veröffentlicht in:医療 1978/03/20, Vol.32(3), pp.357-360
Hauptverfasser: 堀内, 貞, 増田, 純一, 川添, 太郎, 後藤, 信幸, 米谷, 美津子, 大久保, 信雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:胃内容の誤嚥によつてひき起こされる, Mendelson's syndrome (Acid aspiration syndrome)は, 胃酸によつて, 特にそれがpH 2.5以下の時に, 重篤な呼吸器症状を呈することで広く知られており, 麻酔管理に際して, 嘔吐, 胃内容逆流による誤嚥の防止は重要な問題である. 我々は, 麻酔科管理の手術のほぼ全例に, 胃管を挿入し, 胃内容を吸引し, 胃内圧を減ずることで麻酔中の嘔吐や, 胃内容の逆流を防止し, 安全な麻酔管理を心がけている. 今回, 術前, 術中の胃内容とpHの測定を行い, いくばくかの知見を得たので報告する. 結果は, 十分な術前の経口摂取制限にもかかわらず, 胃内容が多量に残存する例, 術中に胃内容が多量に存在する例があり, そのpHは50%以上がpH2.5以下であつた. このことは, 十分な経口摂取制限を行つても麻酔中の胃内容物の嘔吐逆流の可能性を示しており, 誤嚥の防止が大切である.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.32.357