術後肝機能の推移: 特に肝生検との検討

近年外科, 麻酔の進歩に伴い, 術後肝炎が複雑, 多彩化してきているが, 肝炎治療の要点は激症化の予防と慢性化の阻止であり, そのためにも早期発見, 早期治療が必要となる. 我々は昭和46年より, 上腹部手術中に肝左葉より切片を採取しその組織診断と術後肝機能の推移との関連について検討を加えてきた. 組織的に所見の有つた群では無かつた群に比し術後肝機能障害を呈する者が多く, 一過性肝機能障害からの復帰も遅れる者が多かつた. このことより, 術前の検査及び術中の肝生検の結果から術後の肝機能の予想を立て, 早めに対処してゆくことが重要と思われた. また血液の確保しにくい地方病院での輸血実績の問題も含...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:医療 1978/03/20, Vol.32(3), pp.342-345
Hauptverfasser: 浅野, 哲雄, 橋上, 保二, 松島, 申治, 萩原, 俊彦, 維田, 隆夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年外科, 麻酔の進歩に伴い, 術後肝炎が複雑, 多彩化してきているが, 肝炎治療の要点は激症化の予防と慢性化の阻止であり, そのためにも早期発見, 早期治療が必要となる. 我々は昭和46年より, 上腹部手術中に肝左葉より切片を採取しその組織診断と術後肝機能の推移との関連について検討を加えてきた. 組織的に所見の有つた群では無かつた群に比し術後肝機能障害を呈する者が多く, 一過性肝機能障害からの復帰も遅れる者が多かつた. このことより, 術前の検査及び術中の肝生検の結果から術後の肝機能の予想を立て, 早めに対処してゆくことが重要と思われた. また血液の確保しにくい地方病院での輸血実績の問題も含めて, 今後無輸血手術群と比較検討する必要があると思われた.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.32.342