肝海綿状血管腫

剖検時に発見された肝海綿状血管腫の発生頻度は0.27%で, 男女差はなく, 加令とともに増加する傾向が認められた. これに対し, 治療の対象となつた巨大な肝海綿状血管腫は, 40才代の女性に好発していた. 臨床的に肝海綿状血管腫は, 自覚症状の乏しい肝腫として気付かれるが, 白血球数, 血小板数, およびFibrinogenの減少や, A1. Pase活性の上昇を示す症例は比較的多く, 肝海綿状血管腫の臨床診断の指標となった. さらに肝動脈撮影, 腹腔鏡, および肝シンチグラフイーを併用すれば, 肝海綿状血管腫の質的診断ばかりでなく, 肝内におけるその占居部位も明らかにすることができた. 治療...

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Veröffentlicht in:医療 1977/04/20, Vol.31(4), pp.309-320
Hauptverfasser: 岡崎, 伸生, 吉野, 正暖, 吉田, 孝宣, 神田, 裕三, 大野, 孝則, 服部, 信
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:剖検時に発見された肝海綿状血管腫の発生頻度は0.27%で, 男女差はなく, 加令とともに増加する傾向が認められた. これに対し, 治療の対象となつた巨大な肝海綿状血管腫は, 40才代の女性に好発していた. 臨床的に肝海綿状血管腫は, 自覚症状の乏しい肝腫として気付かれるが, 白血球数, 血小板数, およびFibrinogenの減少や, A1. Pase活性の上昇を示す症例は比較的多く, 肝海綿状血管腫の臨床診断の指標となった. さらに肝動脈撮影, 腹腔鏡, および肝シンチグラフイーを併用すれば, 肝海綿状血管腫の質的診断ばかりでなく, 肝内におけるその占居部位も明らかにすることができた. 治療の面においては, 肝海綿状血管腫が限局していれば外科的に切除されるが, 放射線療法も効果的で, 150~200rads, 週3回, 総量約3,000radsを照射し, 持続的な縮小効果を示した3例の自験例について述べた.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.31.309