胃潰瘍の再発とZonal Gastritis

胃潰瘍治癒後の経過を長期間丹念に胃内視鏡にて追跡し, 潰瘍の再発再燃の実態把握に努力し, 再発率は80%と高率にこれを認めた. なおその際再発の方向に何らかの規制が存在すると考え, 切除胃標本の粘膜下線維増生, 及び血管狭小度の面より再発の方向性に対する形態的アプローチを試みた. その結果潰瘍再発の方向性には一定の規制があり, その因子として潰瘍周辺の粘膜下線維増生の片寄り, 及び血管狭小度が関与していることを明らかにした. 一方潰瘍の治癒期, 及び瘢痕期にその周辺に局在性の粘膜萎縮や, 異常発赤, 変色, IIc様に見える陥凹とFoldのやせなど一連の所見をZonal gastritisと名...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:医療 1976/12/20, Vol.30(12), pp.1103-1108
Hauptverfasser: 福井, 興, 奥田, 萩憲, 野坂, 純一郎, 橋本, 武則, 水野, 滋, 鷲田, 亜佐男, 川野, 淳, 田村, 和也
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:胃潰瘍治癒後の経過を長期間丹念に胃内視鏡にて追跡し, 潰瘍の再発再燃の実態把握に努力し, 再発率は80%と高率にこれを認めた. なおその際再発の方向に何らかの規制が存在すると考え, 切除胃標本の粘膜下線維増生, 及び血管狭小度の面より再発の方向性に対する形態的アプローチを試みた. その結果潰瘍再発の方向性には一定の規制があり, その因子として潰瘍周辺の粘膜下線維増生の片寄り, 及び血管狭小度が関与していることを明らかにした. 一方潰瘍の治癒期, 及び瘢痕期にその周辺に局在性の粘膜萎縮や, 異常発赤, 変色, IIc様に見える陥凹とFoldのやせなど一連の所見をZonal gastritisと名付けたが, これら所見の有無と再発再燃の惹起との関連を検索し, Zonal gastritisを認める場合は再発の可能性が大であることを知り得た.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.30.1103