重症心身障害, 進行性筋ジストロフィーの疫学

重症心身障害という用語は, 医学的用語でなく行政的用語である. 重度の精神薄弱と重度の肢体不自由を重複する状態を重症心身障害というが, 「重度」, 「精神薄弱」, 「肢体不自由」という定義は明確でないため, 重症心身障害の状態像は診断(判定)する人によって異なり, 状態像そのものが漠然としている. このため厚生省が5年毎に実施する「精神薄弱者実態調査」あるいは「身体障害者実態調査」による患者数の推計数は必ずしも信頼がおけず, 一部都道府県で実施される実態調査も国の場合と同様の問題点をもっている. また余りにも人口集団の少ない地域で調査を行うと有病率が少ない, 重症心身障害に焦点をあてることがで...

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Veröffentlicht in:医療 1976/07/20, Vol.30(7), pp.614-615
1. Verfasser: 金森, 仁作
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:重症心身障害という用語は, 医学的用語でなく行政的用語である. 重度の精神薄弱と重度の肢体不自由を重複する状態を重症心身障害というが, 「重度」, 「精神薄弱」, 「肢体不自由」という定義は明確でないため, 重症心身障害の状態像は診断(判定)する人によって異なり, 状態像そのものが漠然としている. このため厚生省が5年毎に実施する「精神薄弱者実態調査」あるいは「身体障害者実態調査」による患者数の推計数は必ずしも信頼がおけず, 一部都道府県で実施される実態調査も国の場合と同様の問題点をもっている. また余りにも人口集団の少ない地域で調査を行うと有病率が少ない, 重症心身障害に焦点をあてることができない. 進行性筋ジストロフィーについては鹿児島大学第三内科が実施している疫学調査が, 最も信頼性, 正確度の高いものと思われるが未発表である. 以上の理由で重症心身障害, 筋ジストロフィーの疫学については, 国立療養所に設置された重症心身障害児(者)病棟及び進行性筋ジストロフィー病棟に入所する患者の実態について報告する.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.30.614