がんの免疫療法の可能性について
がんの免疫に関する研究は近年脚光を浴びている一研究分野であり, それなりに動物実験上注目されるべきいくつかの事実が見出されつつある. しかし, これを治療という立場で考えるとその多くは移植腫瘍を用いての実験結果であり, 自家発生腫瘍には効果はほとんど認められない. また, 臨床的にはBCGによる非特異的免疫療法による急性白血病の寛解期間の延長, 黒色腫へのBCGの腫瘍内投与による効果が報告されているに過ぎない. このような事実を背景に, この論文においてはがんの免疫とその治療への適用を1. 担癌患者の免疫能と治療との関係, 2. 宿主の免疫能の賦活化, 3. 免疫賦活化の臨床応用―その問題点,...
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Veröffentlicht in: | 医療 1975/06/20, Vol.29(6), pp.576-584 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | がんの免疫に関する研究は近年脚光を浴びている一研究分野であり, それなりに動物実験上注目されるべきいくつかの事実が見出されつつある. しかし, これを治療という立場で考えるとその多くは移植腫瘍を用いての実験結果であり, 自家発生腫瘍には効果はほとんど認められない. また, 臨床的にはBCGによる非特異的免疫療法による急性白血病の寛解期間の延長, 黒色腫へのBCGの腫瘍内投与による効果が報告されているに過ぎない. このような事実を背景に, この論文においてはがんの免疫とその治療への適用を1. 担癌患者の免疫能と治療との関係, 2. 宿主の免疫能の賦活化, 3. 免疫賦活化の臨床応用―その問題点, 4. 担癌患者の免疫能の測定, の4段階に分けて論じ, それぞれの事項の現状と将来の展望, そしてその可能性について論じた. |
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ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
DOI: | 10.11261/iryo1946.29.576 |