肺野型肺癌の診断について

国立福岡中央病院および九大病院放射線科に入院した肺野型肺癌156例について検討を加えた. 型別に分類すると, 腫瘤型148例, 浸潤型8例である. 腫瘤型については表1, 2が, そのX線所見に検討を加えたものである. まず, 誤診例, ここで誤診とは, 外来初診時に, 肺癌または肺癌疑とされなかつたものである. 20mm以下の小型肺癌では, 5例中4例80%, 21mm~40mmでは約20%, 全体を平均して約9%が癌ではないとされている. X線所見については, 内部構造, 境界, 癌放射, 辺縁の性状, Notching, 周辺ぼけ, 肺門腫脹, 肋骨破壊について検討した. まず, 均等,...

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Veröffentlicht in:医療 1973-06, Vol.27 (6), p.516-520
1. Verfasser: 馬屋原晟
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:国立福岡中央病院および九大病院放射線科に入院した肺野型肺癌156例について検討を加えた. 型別に分類すると, 腫瘤型148例, 浸潤型8例である. 腫瘤型については表1, 2が, そのX線所見に検討を加えたものである. まず, 誤診例, ここで誤診とは, 外来初診時に, 肺癌または肺癌疑とされなかつたものである. 20mm以下の小型肺癌では, 5例中4例80%, 21mm~40mmでは約20%, 全体を平均して約9%が癌ではないとされている. X線所見については, 内部構造, 境界, 癌放射, 辺縁の性状, Notching, 周辺ぼけ, 肺門腫脹, 肋骨破壊について検討した. まず, 均等, 不均等について見ると, 20mm以下では, 不均等影が, かなり見られ, 21mm~30mmになると, ほとんど均等影となり, 31mmをこえると, 再び不均等影が増してくる傾向にある. 陰影の境界については, 20mm以下では, 境界も不鮮明で, 癌放射, Notchingなど, 癌としての特徴を示すことは少ないが, 21mm~30mmとなると, 均等影, 境界鮮明な陰影となり, 癌放射, Notchingなど, 癌としての特徴を示すことが多くなり, さらに腫瘤影が大きくなると, これらの所見は一層著明となる.
ISSN:0021-1699