先天性線維肉腫の1剖検例: その光顕的ならびに電顕的考察

先天性悪性腫瘍, とりわけ線維肉腫はきわめてまれな疾患である. 私どもは, 生下時より左下肢軟部組織の巨大な腫瘍を有し, 生後40分で死亡した新生児を剖検した. 光顕的ならびに電顕的検索により, その腫瘍が先天性線維肉腫と判明したが, 特異な所見を得たので報告するとともに, 先天性線維肉腫に関して若干の考察を加えた. 「症例(図1)」1971年1月26日, 神戸パルモア病院で, 妊娠7カ月の終りに頭位分娩で出産した男児で, 出生児体重は1,225gであった. 生下時より左下肢大腿下半部以下に巨大な腫瘍があり, 出生後40分で死亡した. 母親は22才, 今回が初めての妊娠で, 妊娠4ヵ月目に異常...

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Veröffentlicht in:医療 1973/05/20, Vol.27(5), pp.446-450
Hauptverfasser: 浅本, 仁, 古田, 睦広, 溝, 暁, 三宅, 潤
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:先天性悪性腫瘍, とりわけ線維肉腫はきわめてまれな疾患である. 私どもは, 生下時より左下肢軟部組織の巨大な腫瘍を有し, 生後40分で死亡した新生児を剖検した. 光顕的ならびに電顕的検索により, その腫瘍が先天性線維肉腫と判明したが, 特異な所見を得たので報告するとともに, 先天性線維肉腫に関して若干の考察を加えた. 「症例(図1)」1971年1月26日, 神戸パルモア病院で, 妊娠7カ月の終りに頭位分娩で出産した男児で, 出生児体重は1,225gであった. 生下時より左下肢大腿下半部以下に巨大な腫瘍があり, 出生後40分で死亡した. 母親は22才, 今回が初めての妊娠で, 妊娠4ヵ月目に異常子宮出血のため, プロゲデポ, 7ヵ月目に腰痛のため, プロゲデポとダクチルOB(黄体ホルモン)の筋注を受けている. X線照射はされていない. 「病理解剖所見」生後40分の男児, 体重1,225g, 身長, 右蹠より頭頂部まで33.5cm, 左蹠より頭頂部まで35.5cm, 頭囲24cm, 胸囲21cm.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.27.446