高令者胃潰瘍のレ線学的研究: I 基礎的事項(若年者胃潰瘍の比較)
最近平均年令の上昇とともに胃潰瘍の発生年令も上下に拡がつているが, 特に高年令層へとそのピークが移動している. 1)2) しかも老令者にはその発生原因も若年者とは異なつた各種の環境学的な背景や老年という肉体的な問題があるために, 潰瘍自体の問題とともにその治癒過程や予後の決定にも従来と違つた考え方が必要かと考えられる. その間の実際を知るために著者は高年者の胃潰瘍患者について若干の調査を試みたのでここに報告した. 本編はまず予備的な条件として一般的な基礎的事項について述べた. 調査方法 昭和44年6月~46年5月間において当科にて胃潰瘍と診断した症例中, X線検査および胃カメラにて確実にこれを...
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Veröffentlicht in: | 医療 1973/01/20, Vol.27(1), pp.21-23 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 最近平均年令の上昇とともに胃潰瘍の発生年令も上下に拡がつているが, 特に高年令層へとそのピークが移動している. 1)2) しかも老令者にはその発生原因も若年者とは異なつた各種の環境学的な背景や老年という肉体的な問題があるために, 潰瘍自体の問題とともにその治癒過程や予後の決定にも従来と違つた考え方が必要かと考えられる. その間の実際を知るために著者は高年者の胃潰瘍患者について若干の調査を試みたのでここに報告した. 本編はまず予備的な条件として一般的な基礎的事項について述べた. 調査方法 昭和44年6月~46年5月間において当科にて胃潰瘍と診断した症例中, X線検査および胃カメラにて確実にこれを現在まで追求し得た患者を選んだ. 高年者群(老人外科研究班の定義に従う)すなわち65才以上85才の28例(♂16例, ♀12例)と対照群として, 若年者群(21才~30才)35例(♂20, ♀15)について比較検討した. 調査成績 1. 胃X線検査率と年度別年令別推移について 始めに当科における胃X線受診の実態を調査しその年度別年令別推移をみたが, 図1のごとく, 最近になるに従いその受診率は30~40才代より50才代へと増加し, 60才以上の高年令層が急激に増加の傾向を示していた. |
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ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
DOI: | 10.11261/iryo1946.27.21 |