急性間歇性ポルフイリン症の姉妹例
ポルフイリン症のうち典型的なものはいわゆる赤色尿を呈して特別のことのない限り診断を見落すことはない. しかし患者の症状の経過の中でこの赤色尿の訴えがなかつたり, またたまたま尿検査時に正常な色調であつたりすると, その症状が四肢の感覚障害や運動障害, 腹痛などのときポルフオビリノーゲンの検査をつい行なわないのが一般と思われる. わが国におけるポルフイリン症については佐々木らの報告がいくつかなされており, かなり一般的な疾患となりつつある. しかし, われわれの国立千葉病院においてはいまだこの症例を経験したことがなく, 千葉県全体からの患者発生の報告はみられていない. 著者はたまたま妹が腹痛,...
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Veröffentlicht in: | 医療 1972, Vol.26(5), pp.408-415 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | ポルフイリン症のうち典型的なものはいわゆる赤色尿を呈して特別のことのない限り診断を見落すことはない. しかし患者の症状の経過の中でこの赤色尿の訴えがなかつたり, またたまたま尿検査時に正常な色調であつたりすると, その症状が四肢の感覚障害や運動障害, 腹痛などのときポルフオビリノーゲンの検査をつい行なわないのが一般と思われる. わが国におけるポルフイリン症については佐々木らの報告がいくつかなされており, かなり一般的な疾患となりつつある. しかし, われわれの国立千葉病院においてはいまだこの症例を経験したことがなく, 千葉県全体からの患者発生の報告はみられていない. 著者はたまたま妹が腹痛, 筋萎縮, 四肢のしびれ, 嘔吐などを主訴とし2度の開腹手術を受け, その後当院に入院したが多発神経炎, 神経性食欲不振症などの不確定な診断治療を受け, 死亡直前姉が発病, 腹痛, 下痢, 下肢のしびれ, 運動麻痺を主訴としスモン病として紹介入院されてきたが, たまたま尿検査で赤色尿があり, ポルフオビリノーゲン陽性, 妹も死の直前に本検査陽性で姉妹がともにポルフイリン症であつた1例を経験したのでここに報告する. |
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ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
DOI: | 10.11261/iryo1946.26.408 |