特発性顔面半側萎縮症 (Parry-Romberg症候群) の1例

1825年, Parryによつて初めて記載され, ついで1846年, Rombergによつて報告された特発性進行性顔面半側萎縮症は, 彼らの名前にちなんで, Parry-Romberg症候群と呼ばれている. 1)~3) 通常, 若年において発病し, 慢性に進行性の経過をたどる. これは皮下脂肪と結合織が最もおかされるが, 皮膚, 筋肉, 骨, 軟骨組織などの萎縮変性も伴うといわれている. しかも, 筋力低下は通常おこらないとされている. 高度の場合, 半側萎縮は顔面のみに限らず, 同側の頚部や上肢の萎縮も伴い, 時には全身の半側が萎縮におちいることがごくまれだが報告されている. 諸外国において...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:医療 1971/09/20, Vol.25(9), pp.679-681
Hauptverfasser: 西川, 喜作, 斉藤, 弘
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:1825年, Parryによつて初めて記載され, ついで1846年, Rombergによつて報告された特発性進行性顔面半側萎縮症は, 彼らの名前にちなんで, Parry-Romberg症候群と呼ばれている. 1)~3) 通常, 若年において発病し, 慢性に進行性の経過をたどる. これは皮下脂肪と結合織が最もおかされるが, 皮膚, 筋肉, 骨, 軟骨組織などの萎縮変性も伴うといわれている. しかも, 筋力低下は通常おこらないとされている. 高度の場合, 半側萎縮は顔面のみに限らず, 同側の頚部や上肢の萎縮も伴い, 時には全身の半側が萎縮におちいることがごくまれだが報告されている. 諸外国においては, すでに百数十例の報告があるが, わが国においては耳鼻咽喉科よりの報告が多く, 十数例の記載をみている. 4)~6) 私も本例と思われる1例を経験したのでここに報告する. 「症例」患者 45才, 主婦 主訴 右側頬部の萎縮および色素沈着 既往歴 24才・虫垂炎(切除術) 25才・子宮外妊娠(手術を受く) 40才・交通事故(顔面打撲) 家族歴 2人姉妹で, 父は結核で死亡, 母は健在, 子供が1人, いずれも正常. 家族歴に特に同様な患者はみられない.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.25.679