胃に原発した細網肉腫症の1剖検例: 故千葉宗平技師長剖検録

胃に原発する細網肉腫症は比較的稀な疾患である. われわれはその1剖検例を経験したので報告する. 「症例」患者 千○宗○, 68才, 男性. 生来健康で, 50才ころから高血圧でコントロールを受けていたこと, および60才時急性肺炎で3週間治療をうけたほかは, 著患は知らない. 煙草は高血圧を指摘されてから完全に禁煙しており, 酒は若いころ大酒家であつたが, 最近は酒量は落ちていた. 昭和44年11月上旬ころから上腹部痛を自覚し痛みは特に固形物摂取後に増強した. このころから常時胃部不快感を覚え, 食思不振著しく, 嘔気があつたが, 嘔吐はなかつた. 同年11月22日本院消化器科受診, 上腹部に...

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Veröffentlicht in:医療 1971/08/20, Vol.25(8), pp.607-611
Hauptverfasser: 倉光, 一郎, 伊藤, 綏, 木村, 忠, 疋田, 達雄, 藤田, 順一, 内海, 邦輔, 栗林, 宣雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:胃に原発する細網肉腫症は比較的稀な疾患である. われわれはその1剖検例を経験したので報告する. 「症例」患者 千○宗○, 68才, 男性. 生来健康で, 50才ころから高血圧でコントロールを受けていたこと, および60才時急性肺炎で3週間治療をうけたほかは, 著患は知らない. 煙草は高血圧を指摘されてから完全に禁煙しており, 酒は若いころ大酒家であつたが, 最近は酒量は落ちていた. 昭和44年11月上旬ころから上腹部痛を自覚し痛みは特に固形物摂取後に増強した. このころから常時胃部不快感を覚え, 食思不振著しく, 嘔気があつたが, 嘔吐はなかつた. 同年11月22日本院消化器科受診, 上腹部に腫瘤を触知し, X線写真にも大きな陰影を認め, 外科手術の目的で12月1日入院し術前諸検査の後12月12日胃部分切除術を行なつた. 胃X線写真 立位正面充満像では, Peristaltikが強い胃である. 胃角は開大し, Antrum大彎側に陰影欠損がみられる. 腹臥位では, Antrumのほとんど全域にわたり陰影欠損およびCraterあり, 幽門は狭窄気味である.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.25.607