胃原発Hodgkin病の1例

リンパ肉芽腫症は全身のリンパ組織を系統的に侵し, ついに死に至らしめる終始進行性の疾患で1832年Hodgkin3)がはじめて記載し, 後にWilks11)がHodgkin病とよんだ. このHodgkin病は, 稀に胃, 肺, 乳房, 卵巣などに原発することが知られている. 胃Hodgkin病は1913年Schlagenhaufer10)がはじめて報告して以来, 諸家によつて注目されるようになつた. しかしわが国においては大沼9)の報告以来現在まで20例をかぞえるのみである. 最近われわれは術前に胃癌と診断し, 胃切除術を行ない, 組織学的にHodgkin病であつた症例を経験したので報告する....

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Veröffentlicht in:医療 1971/05/20, Vol.25(5), pp.357-359
Hauptverfasser: 橋本, 文暎, 田中, 俊成, 安冨, 徹, 古田, 睦広
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:リンパ肉芽腫症は全身のリンパ組織を系統的に侵し, ついに死に至らしめる終始進行性の疾患で1832年Hodgkin3)がはじめて記載し, 後にWilks11)がHodgkin病とよんだ. このHodgkin病は, 稀に胃, 肺, 乳房, 卵巣などに原発することが知られている. 胃Hodgkin病は1913年Schlagenhaufer10)がはじめて報告して以来, 諸家によつて注目されるようになつた. しかしわが国においては大沼9)の報告以来現在まで20例をかぞえるのみである. 最近われわれは術前に胃癌と診断し, 胃切除術を行ない, 組織学的にHodgkin病であつた症例を経験したので報告する. 「症例」(患者):56才男(会社員). (主訴):空腹時心窩部の疼痛. (家族歴):特記すべき疾患はない. (既往歴):昭和17年右湿性胸膜炎で6ヵ月間入院. 昭和27年肺結核症で1年間入院. 昭和36年肺結核再燃し空洞を生じ, 昭和42年まで治療をうけた. (現病歴):昭和44年10月中旬(入院3ヵ月前)より空腹時心窩部痛を覚えるようになり, 某病院にて胃ポリープの悪性化の疑いありと診断されて本院外科を受診, レ線検査および胃カメラ検査の結果, 胃癌と診胃された.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.25.357