鞭打ち傷害の手術症例の検討
われわれは過去2年半にWhiplash injuryの遷延治癒症例13例に頸椎の前方固定術を施行したので, その結果について報告し, われわれの考えを述べる. われわれはWhiplash injuryを重い頭部にかゝつた慣性により頸部が動かされて損傷した. いわゆるAcceleration and deceleration injuryに限定した. したがつて慣性にならない頭部打撲などによる頸部の損傷は除外した. 本傷害は幾多の報告にもみられるようにその症状は種々多岐にわたり, 治療方針の決定に迷うことが少なくない. 本傷害の臨床的分類に関してはDavis, Cammack1), Kuhlen...
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Veröffentlicht in: | 医療 1969/11/20, Vol.23(11), pp.1418-1422 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | われわれは過去2年半にWhiplash injuryの遷延治癒症例13例に頸椎の前方固定術を施行したので, その結果について報告し, われわれの考えを述べる. われわれはWhiplash injuryを重い頭部にかゝつた慣性により頸部が動かされて損傷した. いわゆるAcceleration and deceleration injuryに限定した. したがつて慣性にならない頭部打撲などによる頸部の損傷は除外した. 本傷害は幾多の報告にもみられるようにその症状は種々多岐にわたり, 治療方針の決定に迷うことが少なくない. 本傷害の臨床的分類に関してはDavis, Cammack1), Kuhlendahl, 土屋2), 近藤3)らの報告があるが, 一方恩師伊丹教授4)5), 三好助教授, 片山らはその詳細なる臨床および動物実験により, 本傷害を明確に分類することの困難さを説いておられる. 本症の手術適応については従来より種々な意見があり, Mayo Clinicは5条件を挙げ, 西は2カ月間の安静免荷によつてもなお頸椎の不安定, 棘突起間の開大を示す例を手術の適応とし, 柏木, 片岡6)らは受傷後6カ月以上経過するも治癒せざる症例に7項目の手術基準をもうけた. 桐田らは頸椎の不安定性, 椎間板変性, 骨棘形成などの変形性変化と臨床症状の一致などの5条件を考え, 半田7)らは病型を5型に分類し手術適応を決定している. われわれはそれぞれの症例につきMyelography, Discography, Angiography, Pletysmography, 筋電図検査などを行なつたが, 椎間板変性による不安定性, 脊髄, 神経根への刺激などが証明され, これが自覚的, 他覚的臨床症状の主な原因と考えられるものを手術の適応とした. 次に一, 二の症例について述べる. |
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ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
DOI: | 10.11261/iryo1946.23.1418 |