乳幼児腸重積症の治療について

腸重積症は乳幼児における急性腹症のなかでも重要なものの一つで, 的確な診断と合理的な処置が望まれる. 本疾患を手術的に治療するか, 非手術的に治療するかについては種々の議論が行なわれ, まだ意見の統一をみないようであるが, 最近は一応非観血的にバリウム注腸により整復するのが多数を占めているように思われる. 小児外科の進歩により, 乳幼児の手術が容易に行なわれ, 治療成績も向上し, 手術死亡率は減少してきているが, 本疾患は腸閉塞を主体とする病気であり, 患者の全身状態の変化がある程度以上はさけられないため, 手術すれば死亡例がでるのは絶無とはいえない. 私はこの点より, 本疾患をなるべく非観血...

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Veröffentlicht in:医療 1969/07/20, Vol.23(7), pp.866-872
Hauptverfasser: 加藤, 哲男, 日野, 出, 木村, 準一, 大西, 紹治, 上野, 直通, 池尻, 其行, 山田, 寛保, 衛藤, 長生
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:腸重積症は乳幼児における急性腹症のなかでも重要なものの一つで, 的確な診断と合理的な処置が望まれる. 本疾患を手術的に治療するか, 非手術的に治療するかについては種々の議論が行なわれ, まだ意見の統一をみないようであるが, 最近は一応非観血的にバリウム注腸により整復するのが多数を占めているように思われる. 小児外科の進歩により, 乳幼児の手術が容易に行なわれ, 治療成績も向上し, 手術死亡率は減少してきているが, 本疾患は腸閉塞を主体とする病気であり, 患者の全身状態の変化がある程度以上はさけられないため, 手術すれば死亡例がでるのは絶無とはいえない. 私はこの点より, 本疾患をなるべく非観血的に高圧浣腸により治療すべく努力し, いささか知見を得たので, 若干の文献的考察を加えてみたい.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.23.866