進行性筋ジストロフィー症の自律神経機能について

進行性筋ジストロフィー症Progressive muscular dystrophy(「PMD」と略す)の成因にはなお不明の点が多いが, 呉・冲中は古くから自律神経(栄養神経)障害説を掲げ, 本症剖検例の自律神経線維に変性を認めること, 一般に近位筋には交感神経が豊富で遠位筋には少ないこと, 交感神経の脱神経によりその支配下の骨格筋にPMD類似症状を発来することなどから本症の発症機序として交感神経を重視し, 本症の治療に自律神経薬(Adrenaline, Pilocarpine)の用いられた時代もある. その後Vitamin欠乏(とくにV-E, V-C), さらに代謝面から筋エネルギー貯蔵系の...

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Veröffentlicht in:医療 1968-12, Vol.22 (12), p.1392-1397
Hauptverfasser: 飯田政雄, 宇尾野公義, 室隆雄, 朝長正徳, 和田攻, 榎本昭, 矢野雄三
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:進行性筋ジストロフィー症Progressive muscular dystrophy(「PMD」と略す)の成因にはなお不明の点が多いが, 呉・冲中は古くから自律神経(栄養神経)障害説を掲げ, 本症剖検例の自律神経線維に変性を認めること, 一般に近位筋には交感神経が豊富で遠位筋には少ないこと, 交感神経の脱神経によりその支配下の骨格筋にPMD類似症状を発来することなどから本症の発症機序として交感神経を重視し, 本症の治療に自律神経薬(Adrenaline, Pilocarpine)の用いられた時代もある. その後Vitamin欠乏(とくにV-E, V-C), さらに代謝面から筋エネルギー貯蔵系の異常として血中Creatine phosphokinase(CPK)・Aldolase活性の増加, 筋中同酵素の減少のほか, LDH isozymeパターンの異常も認められ, 近年電子顕微鏡的にEndplastic reticulumの構造異常なども追及されつつある. 著者らは前記自律神経障害説を立証する実験的筋ジストロフィー罹患筋に酵素組織化学的方法を応用して本症成因の一端を考察するとともに, 今回国立療養所下志津病院に入院中のPMDを中心とする症例につき薬物的自律神経機能検査(Pilocarpine試験・Mecholyl試験)を行ない, 本症における自律神経機能の面から検討を加えた.
ISSN:0021-1699