橋状皺襞と茎のX線像

胃の粘膜下腫瘍と上皮性腫瘍とのX線鑑別診断は, 必ずしも容易ではない. 粘膜下腫瘍は, 粘膜をなだらかに持ち上げるから, 圧迫像または2重造影像で, 輪廓のぼけた腫瘍像を認めるのが普通である. しかし半球状に隆起した場合には, 内方は鮮鋭で, 外方にぼけた輪廓を表わす1) この場合には上皮性腫瘍との鑑別が必ずしも容易ではない. この鑑別は腫瘍上の粘膜像が正常であることや, SchindlerのいうBridging folds2)橋状皺襞が決め手となる. また圧迫の程度によって, 陰影の大きさが著しく変ったり, 現れなくなったりすることも参考になるだろう. 3) とはいえ, やはり両者の鑑別が困...

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Veröffentlicht in:医療 1968/11/20, Vol.22(11), pp.1320-1328
Hauptverfasser: 佐々木, 潔, 古賀, 充, 中田, 肇, 犬童, 一男, 馬場, 賢吾, 上野, 裕己, 八尾, 恒良, 滝原, 哲一, 松浦, 竜二, 大西, 韶二, 小幡, 守彦, 坂本, 英明
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:胃の粘膜下腫瘍と上皮性腫瘍とのX線鑑別診断は, 必ずしも容易ではない. 粘膜下腫瘍は, 粘膜をなだらかに持ち上げるから, 圧迫像または2重造影像で, 輪廓のぼけた腫瘍像を認めるのが普通である. しかし半球状に隆起した場合には, 内方は鮮鋭で, 外方にぼけた輪廓を表わす1) この場合には上皮性腫瘍との鑑別が必ずしも容易ではない. この鑑別は腫瘍上の粘膜像が正常であることや, SchindlerのいうBridging folds2)橋状皺襞が決め手となる. また圧迫の程度によって, 陰影の大きさが著しく変ったり, 現れなくなったりすることも参考になるだろう. 3) とはいえ, やはり両者の鑑別が困難な場合があるのである. ひるがえって, 昭和38年2月に当院が開設されてから今日まで, 約4年6ヵ月の間に手術された胃の粘膜下腫瘍は7例で, その内訳は表1のとおりである. のうち5, 6, 7の3例は, 腫瘍像が側面像として, X線写真にとらえられたため, 橋状皺襞を認めなかったが, 1, 2, 3, 4の4例については, これを認めた.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.22.1320