腎炎(Nephroseを含む)の経過並びに予後に関する臨床的考察 第5報治療成績(1)
いわゆる原発性Nephrose症候群を含めた腎臓炎の一般について, その発症から予後に至る臨床像の観察を行ない, 過去数回にわたってこれを本総合医学会で報告してきた. 1)2) この結果をもとにしてこれまでの治療法を反省し, よってより良い治療に就くことはこのシリーズの最終目的である. 前途はなはだ多難, 挫折をおそれながらも差し当り今回は, 蛋白尿に対する薬剤および扁摘の効能と, 慢性腎不全における腹膜潅流法の意義とについて検討を行なってみたいと思う. 蛋白尿の消失がそのまま病の治癒を意味するものでないことは当然であるが, 互いに関連するところはなはだ大きいこともまた予後調査の示すところであ...
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Veröffentlicht in: | 医療 1968, Vol.22 (9), p.1020-1026 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | いわゆる原発性Nephrose症候群を含めた腎臓炎の一般について, その発症から予後に至る臨床像の観察を行ない, 過去数回にわたってこれを本総合医学会で報告してきた. 1)2) この結果をもとにしてこれまでの治療法を反省し, よってより良い治療に就くことはこのシリーズの最終目的である. 前途はなはだ多難, 挫折をおそれながらも差し当り今回は, 蛋白尿に対する薬剤および扁摘の効能と, 慢性腎不全における腹膜潅流法の意義とについて検討を行なってみたいと思う. 蛋白尿の消失がそのまま病の治癒を意味するものでないことは当然であるが, 互いに関連するところはなはだ大きいこともまた予後調査の示すところであった. 2)腎臓炎治療の第一歩が蛋白尿好転という点に発しやすい所以の一つもここにあると思う. この意味でわれわれも治療法考察シリーズの第一歩に蛋白尿を選んだ訳である. また腎炎の末期に起る腎不全症状に対しては最近腹膜潅流法が普及するとともにその優れた効果が喧伝されつつあるけれども, なお多くを内蔵して前途にいろいろな問題が予想される現状である. 優れているが故にこそ, この方法の得失を論ずることが必要と信じ, 多くの先賢11)~15)にならってまずは体液変動の面からこれを考察した次第である. |
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ISSN: | 0021-1699 |