僧帽弁狭窄症のベクトル心電図
僧帽弁狭窄症(MS)では左房から左室への血液の自由な通過は妨げられ, 左房圧は上昇し, 左房の肥大拡張をきたすようになる. 左心房と肺静脈の間には弁がないので, 左心房内圧の増加は肺静脈と肺毛細管圧の上昇をきたす. 肺毛細管圧の上昇が永く続くと肺血管に変化をきたし, 肺小動脈抵抗が増加する結果となり, 肺高血圧が成立するのである. 肺高血圧が発生すると右室のSystolic overloadingがあり. もし心不全が併発するとさらに右室のDiastolic overloadingが加わるのでベクトル心電図上, 右室側の変化が当然予想される訳である .MSの診断はX線所見, 心電図, 心音図な...
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Veröffentlicht in: | 医療 1968/08/20, Vol.22(8), pp.926-931 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 僧帽弁狭窄症(MS)では左房から左室への血液の自由な通過は妨げられ, 左房圧は上昇し, 左房の肥大拡張をきたすようになる. 左心房と肺静脈の間には弁がないので, 左心房内圧の増加は肺静脈と肺毛細管圧の上昇をきたす. 肺毛細管圧の上昇が永く続くと肺血管に変化をきたし, 肺小動脈抵抗が増加する結果となり, 肺高血圧が成立するのである. 肺高血圧が発生すると右室のSystolic overloadingがあり. もし心不全が併発するとさらに右室のDiastolic overloadingが加わるのでベクトル心電図上, 右室側の変化が当然予想される訳である .MSの診断はX線所見, 心電図, 心音図などにおける特徴ある所見から比較的容易ではあるが, 私たちは10例の純型MSについて, さらにベクトル心電図をとり, また全例に右心カテーテルを行ない, 内8例に交連切開術を施行し, 経過を追求し得たのでその結果を報告する. |
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ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
DOI: | 10.11261/iryo1946.22.926 |