Aminobenzyl Penicillinによつて起きたと思われる無顆粒細胞症の1治験例

近年治療に関し卓越した各種薬剤が広く使用されている一方, 薬剤の副作用に関しても関心が向けられてきている. 薬物の血液反応としての白血球減少症ないし無顆粒細胞症(Agranulocytosis)もその1つであり, これに関与する薬剤はわれわれ臨床上よく使用するものが比較的多いので, 特に注意を要することになる. 著者らはAminobenzyl penicillinによつて起きたと考えられる無顆粒, 細胞症の例で, 幸にして治癒せしめ得た1例を経験したので報告する. 「症例」松○健○, 6, 男児. 入院:昭和42年3月22日. 蕁麻疹様発疹がほとんど全身にみられ, 頸部リンパ腺が圧痛を伴つて腫...

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Veröffentlicht in:医療 1968, Vol.22(5), pp.676-681
Hauptverfasser: 小宅, 弘道, 磯野, 雄也, 工藤, 真生
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年治療に関し卓越した各種薬剤が広く使用されている一方, 薬剤の副作用に関しても関心が向けられてきている. 薬物の血液反応としての白血球減少症ないし無顆粒細胞症(Agranulocytosis)もその1つであり, これに関与する薬剤はわれわれ臨床上よく使用するものが比較的多いので, 特に注意を要することになる. 著者らはAminobenzyl penicillinによつて起きたと考えられる無顆粒, 細胞症の例で, 幸にして治癒せしめ得た1例を経験したので報告する. 「症例」松○健○, 6, 男児. 入院:昭和42年3月22日. 蕁麻疹様発疹がほとんど全身にみられ, 頸部リンパ腺が圧痛を伴つて腫大し, また壊疽性アンギーナの所見がみられた. これに対して, CP筋注, Sulpyrin筋注および内服, LM点滴静注, Aminobenzyl PC筋注, TC内服, Dexamethasone点滴静注, 筋注あるいは内服などの治療で8日後には平熱になり, 約1週間の平熱後4月17日より再び高熱を示し, また蕁麻疹様発疹がみられ, 肝脾腫が明らかになつてきた.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.22.676