サルコイド症の病理: 肉芽腫結節の電顕像を中心にして

サルコイド症は, その特有な病像のゆえに, また結核性疾患との関連のために, 多くの人達の関心を集めているが, その本体に関しては不明のままであり, 病理組織学的にも未解決の点が多い. われわれは, 国療村松晴嵐荘において, 過去3年間に3例のサルコイド症に遭遇し, その生検材料を電顕的および組織化学的に検索する機会を得た. その結果の大要をここに報告するが, 本研究はまだ継続中のものであり, 今回の発表はいわば, 中間成績報告とも呼べるものである. 「症例」症例1. 松○た○子, 24才, 家婦. 昭和39年4月, 風邪のため39℃におよぶ発熱があり, 医師を訪れて耳下腺炎と診断された. 下...

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Veröffentlicht in:医療 1968, Vol.22(5), pp.637-644
Hauptverfasser: 三方, 淳男, 加納, 保之, 奥井, 津二, 浜野, 三吾, 岡本, 亨吉, 古谷, 幸雄, 渡辺, 定友, 菊地, 敬一, 照沼, 毅陽, 石邦, 輔, 柳沢, 正弘, 岩崎, 三生, 小泉, 雄一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:サルコイド症は, その特有な病像のゆえに, また結核性疾患との関連のために, 多くの人達の関心を集めているが, その本体に関しては不明のままであり, 病理組織学的にも未解決の点が多い. われわれは, 国療村松晴嵐荘において, 過去3年間に3例のサルコイド症に遭遇し, その生検材料を電顕的および組織化学的に検索する機会を得た. その結果の大要をここに報告するが, 本研究はまだ継続中のものであり, 今回の発表はいわば, 中間成績報告とも呼べるものである. 「症例」症例1. 松○た○子, 24才, 家婦. 昭和39年4月, 風邪のため39℃におよぶ発熱があり, 医師を訪れて耳下腺炎と診断された. 下熱後も両耳下腺腫張は消退しなかつたが, 自覚症がないのでそのまま放置していた. 同年10月14日, 水戸日赤病院にて頸部リンパ節腫大を指摘され剔出術を受けた. 組織学的にリンパ節結核の疑いと診断され, 10月27日, 精査と治療のため当荘に入院した.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.22.637