胸壁神経鞘腫の1治験例

胸壁神経鞘腫は比較的まれな疾患であり, 本邦における報告例は文献上11例にすぎない. 9) 胸壁腫瘍は臨床的に原発性良性胸壁腫瘍, 原発性悪性胸壁腫瘍, 転移性胸壁腫瘍に分けているが, 最近肺癌の増加に伴い, その早期発見が強調され, 胸部の異常陰影に対する関心がたかまつている折から, 胸壁腫瘍との鑑別は重要な意義を持つ. われわれは集団検診により肺腫瘍をうたがわれた患者について, 人工気胸を作成し撮影したレ線写真によつて確診しえた右側胸壁に発生した神経鞘腫の1例を報告する. 「症例」59才 女子 主婦 家族歴:母が肉腫で死亡. 既往歴:特記すべきことなし, ツ反陽性. 現病歴:昭和41年6月...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:医療 1968, Vol.22(4), pp.534-538
Hauptverfasser: 沢寿, 男, 浜野, 三吾, 三方, 淳男, 柳沢, 正弘
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:胸壁神経鞘腫は比較的まれな疾患であり, 本邦における報告例は文献上11例にすぎない. 9) 胸壁腫瘍は臨床的に原発性良性胸壁腫瘍, 原発性悪性胸壁腫瘍, 転移性胸壁腫瘍に分けているが, 最近肺癌の増加に伴い, その早期発見が強調され, 胸部の異常陰影に対する関心がたかまつている折から, 胸壁腫瘍との鑑別は重要な意義を持つ. われわれは集団検診により肺腫瘍をうたがわれた患者について, 人工気胸を作成し撮影したレ線写真によつて確診しえた右側胸壁に発生した神経鞘腫の1例を報告する. 「症例」59才 女子 主婦 家族歴:母が肉腫で死亡. 既往歴:特記すべきことなし, ツ反陽性. 現病歴:昭和41年6月, 保健所の集団検診に際し胸部レ線写真で右上肺野に異常陰影を指摘された. 近医受診, 肺腫瘍をうたがわれ, 41年7月7日本荘入荘, 咳痰などの自覚症状はなかつた. 入院時所見:体格, 栄養中等度, 胸部は胸廓に変形なく, 腫瘤触知せず, 理学的に心肺に異常を認めず. その他各器官の臨床所見に異常を認めなかつた.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.22.534