福岡県京都郡犀川町帆柱診療所(へき地診療所)における4年間の診療の実態
20数年前ペニシリンが実用化され, つづいて抗結核剤, 副腎皮質ホルモンが登場し, 降圧剤が普及するなど, 治療医学の目覚しい進歩の恩恵に平行して, 政府の国民皆保険政策と, わが国の急速な経済成長にともなう食生活や生活環境の向上は, 日本人の平均寿命の非常な延長をもたらし, 今や欧米の福祉国家の平均寿命と肩をならべられるようになつたことは真に幸いなことである. しかし, 経済発展は年々人口の都市過密化に拍車をかけ, このことは都市と町村との間に, いろいろの面で格差を急激に大きくしつつある. 医療の面でも, 医師の都市への集中は, 町村所在の診療所の医師補充難を深刻化し, ひいては医師不在の...
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Veröffentlicht in: | 医療 1968, Vol.22(3), pp.387-393 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 20数年前ペニシリンが実用化され, つづいて抗結核剤, 副腎皮質ホルモンが登場し, 降圧剤が普及するなど, 治療医学の目覚しい進歩の恩恵に平行して, 政府の国民皆保険政策と, わが国の急速な経済成長にともなう食生活や生活環境の向上は, 日本人の平均寿命の非常な延長をもたらし, 今や欧米の福祉国家の平均寿命と肩をならべられるようになつたことは真に幸いなことである. しかし, 経済発展は年々人口の都市過密化に拍車をかけ, このことは都市と町村との間に, いろいろの面で格差を急激に大きくしつつある. 医療の面でも, 医師の都市への集中は, 町村所在の診療所の医師補充難を深刻化し, ひいては医師不在の診療所の急増をきたし, いよいよ医療行政上の重大問題となつている. この時にあたり, 私どもが診療の維持にかなりの努力をつづけている1へき地診療所の実態に検討を加え, 今後にのこされた問題点を考察し, 将来のへき地医療対策の参考に資することは有意義と信じ, ここにその実態の一端を報告することにした. |
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ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
DOI: | 10.11261/iryo1946.22.387 |