胃穿孔を併発した先天性気管食道瘻の1症例について
先天性気管食道瘻の治療成績は今日向上してきているがまだ成功率は高くない. われわれはこの疾患に起因すると思われる胃穿孔を併発した症例を経験した. 予後は不良であったがこのような症例の治験例はわれわれの調べた範囲では本邦でまだ見られなかったので報告する. 症例 患者 松○ユ○リ 女 家族歴 両親ともに健在であり母親は初回妊娠により患者を出産した. 妊娠経過中に晩期妊娠中毒症および羊水過多症に罹患した. 患者既往歴 特記することはない. 現病歴 患者は満期正常分娩により某医にて出生した. 出生時の体重は2,450grであった. 出生の際臍帯が1回足に纏絡していたが呼吸開始は円滑であった. 羊水を多...
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Veröffentlicht in: | 医療 1967/11/20, Vol.21(11), pp.1327-1330 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 先天性気管食道瘻の治療成績は今日向上してきているがまだ成功率は高くない. われわれはこの疾患に起因すると思われる胃穿孔を併発した症例を経験した. 予後は不良であったがこのような症例の治験例はわれわれの調べた範囲では本邦でまだ見られなかったので報告する. 症例 患者 松○ユ○リ 女 家族歴 両親ともに健在であり母親は初回妊娠により患者を出産した. 妊娠経過中に晩期妊娠中毒症および羊水過多症に罹患した. 患者既往歴 特記することはない. 現病歴 患者は満期正常分娩により某医にて出生した. 出生時の体重は2,450grであった. 出生の際臍帯が1回足に纏絡していたが呼吸開始は円滑であった. 羊水を多量に嚥下しており, 出生直後より清澄な羊水を頻回に嘔吐した. 嘔吐をくりかえすため, 生後13時間目に当院小児科に入院した. 入院時現症 体格小, 栄養ややおとろえ, 皮膚粘膜は湿潤, 黄疸は明らかでない. 外見上畸型や母斑はない. 四肢に浮腫なくチアノーゼも認められない. 呼吸脈搏は正常, 喘鳴なく, 肺野にラ音は聴取されず打聴診上も異常はない. 心音も清で雑音は聴取されない. |
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ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
DOI: | 10.11261/iryo1946.21.1327 |