抗癌剤療法にかんする研究: 試験管内短時間作用実験

悪性腫瘍の抗癌剤療法では, 抗癌剤を腫瘍組織にできる限り選択的かつ高濃度に作用させるために, すでに局所動脈内注入療法や, 腫瘍局所灌流療法, リンパ管系注入, あるいは大量間歇投与法など, より有効な臨床投与の形式が各方面で研究され, それぞれにある程度の効果をおさめている. また近藤は彼の考案したSDI法を用いて剔出腫瘍の抗癌剤感受性を測定して投与抗癌剤を選び治療成績の向上に資せられるとしている. しかし, 今日までの抗癌剤治療成績は治療対象の腫瘍によつても, かなり成績の差異を示しているもの, 再発防止, あるいは延命効果, いずれの点でも決して充分とはいいがたい. そこで, われわれは...

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Veröffentlicht in:医療 1967/10/20, Vol.21(10), pp.1183-1192
Hauptverfasser: 勝田, 京一, 久恒, 一雄, 梶山, 稔, 宮原, 弘次, 渥美, 剛重, 銅城, 将紘
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:悪性腫瘍の抗癌剤療法では, 抗癌剤を腫瘍組織にできる限り選択的かつ高濃度に作用させるために, すでに局所動脈内注入療法や, 腫瘍局所灌流療法, リンパ管系注入, あるいは大量間歇投与法など, より有効な臨床投与の形式が各方面で研究され, それぞれにある程度の効果をおさめている. また近藤は彼の考案したSDI法を用いて剔出腫瘍の抗癌剤感受性を測定して投与抗癌剤を選び治療成績の向上に資せられるとしている. しかし, 今日までの抗癌剤治療成績は治療対象の腫瘍によつても, かなり成績の差異を示しているもの, 再発防止, あるいは延命効果, いずれの点でも決して充分とはいいがたい. そこで, われわれは, より有効な抗癌剤の投与法の確立の一助にと, Eagleにより継代培養されるようになった口底癌由来のKB細胞を用いて, 抗癌剤の抑制効果の基礎的検討9)10)を試みているので, 現在までにえた知見について報告する.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.21.1183